24 計略-2

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「高橋さん?」 「はい」 エレベーターの中で足を止めたままの私に、怪訝そうな眼差しを向ける彼の元へ、一歩、足を踏み出す。 エレベーターの扉の閉じる重い音が、背後で響いた。 次の客を乗せるために、エレベーターは降りていく。 ――もしかしたら、私の選択は、間違っているのかもしれない。 妙に冷えた頭の隅で、そんな考えがチラリとよぎる。 ううん、大丈夫。 仮にも、彼は、課長の従兄だ。 それに、それなりに、社会的に安定した位置にいる様子だし、 たとえ、盗撮写真を撮らせたのが彼だとしても、直接何かを仕掛けてくるほど、愚かな人には見えない。 私に『折り入って相談がある』のだそうだから、 その内容を、とっくりと聞いてやろうじゃない。 どうするかは、その後考えても、遅くはないはず。
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