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お金で、人の価値が決まるとは思わない。
でも、やっぱり、住む世界が違いすぎると、そう、思ってしまう。
「……高橋さん?」
「え、あ……」
――なんだっけ?
何か、質問されてた気がするけど。
「はい?」
小首を傾げて45度。
かなり、間抜けな顔をしていたに、違いない。
ククッっと、喉の奥を鳴らしたかと思えば、
彼はそのまま、こらえ切れないように、笑い出した。
「君は――実に、面白い女だな。仕事ができるキャリア・ウーマンなのかと思えば、まるで、十代の少女のような、素直な反応をしてみせる」
よほど、ドストライクで笑いのツボに入ったらしい。
言葉の端々が、笑いの余波で震えている。
――しまった。
つい、素が出てしまった。
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