24 計略-2

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――えーーと。 「ヤタベグループなら、知っています、はい」 なるべく表情に気持ちが出ないように気を付けて、聞かれたことにだけ端的に答えれば、 「良かった。それは、話が早い」 含み笑いで皮肉が飛んでくる。 ――くやしい。 なんだか、心の中をぜんぶ、見透かされている気分だ。 まるで、 その手のひらの中でゆらゆらと揺らされ、後は飲み下されるのを待っているだけの、ワイングラスの中味みたいに。 コクリ、と、 また一口、ワインを美味しそうに口に含み、彼は話しの続きを始めた。 「叔父、谷田部総次郎には、亡くなった兄に他に4人の妹と、1人の弟がいてね、その弟というのが妾腹だった」 ――妾腹? お妾さんの子供の、妾腹? そういえば、以前、課長に、からかわれたことがあったっけ。
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