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残る一つは、
彼の『真意』を探ること。
その為には、まず、話しを聞くことだ。
立ち上がって、水を流し、トイレのドアを開ける。
洗面所で手を洗い、さっと身づくろい。
鏡の中には、少し不安げな自分の顔が映っていた。
――大丈夫。
大丈夫よ。
だって、
たとえ、あの盗撮写真を撮らせたのが彼だとしても、
その目的が、予想不能だとしても、
だからと言って、まさか、私を、どうこうしようとは思わないはず。
それに、
そもそも、大前提が、私の大きな勘違い――
って線も、なきにしもあらず、だし。
まあ、そうなれば、笑い話ですむことだし。
一応、
課長の『もし、この写真に関連して、なんらかの接触があったら、すぐ、俺に教えてくれ』っていう約束も守ったし。
――うん、大丈夫。
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