★誰かを好きになる?☆

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「もう元はとっただろ?そろそろ暇を出してやったら?」 「嫌だ!いくらユリちゃんが言っても、それだけはダメ。これは僕の宝物なんだから」 こんなにありがたがられちゃ、それ以上言えないじゃないか。 まったく…… ほどなくして、私達はいつも通っているジムに着いた。 楽しげにスポーツバッグをトランクから下ろす裕作を見て私は言った。 「ちょっと買い物に行ってくるよ。後から行くから、受付でバッグを預かってもらっておいて欲しいんだけど」 「なら僕も行くよ。ユリちゃんとデートだね」 「来なくていいよ!裕作は腹筋でも割ってな!」 70のジイさんに私も何を言ってんだか…… 裕作は泣きそうな顔で何かを言いたそうだったけど、私は気にせずすぐ近くのショッピングセンターへと向かった。 こんな私はガラじゃないんだ。 自分でも自己嫌悪に陥りながら、チラリと振り返る。 裕作はまだ私の背中を見ていたらしく、嬉しそうに大きく手を振っている。 『早く行け』と払うように手を振ると、裕作はしょんぼり肩を落とし、バッグを二つ持ち中へと入って行った。 「悪いことをしてるみたいで、気分が悪いったらないよ」
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