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そんな私に、当時は裕作とはまた違ったタイプでずば抜けて人気のある男子から呼び出しがあった。
上辺だけは友人達は羨ましがり『きっと告白だよ』と囃し立てた。
口ではそう言いながらも、妬みを含んだ視線を私の背中に向ける。
そんな友人達の視線を受けながら、私は盛り上がらない気持ちで指定された体育館の横へと向かった。
(私、告白されちゃうのかな?どうしたらいいんだろ……)
心踊ることも緊張することもなく、私の心は冷めていた。
待っていてくれた彼は、確かに友人達が騒ぐだけあり、スポーツマンらしい体型に日に焼けた肌をした爽やかな少年だ。
だが、それだけだ。
向かい合ってみたものの、ときめくこともない。
私の心が叫び悲鳴を上げる。
『違うっ!この人じゃない!!』
心が苦しがっている。
『私が求めているのは彼じゃない。他にどんな人が来たとしても、私の心は叫びをやめない……』
「あっ……」
何かを言おうとした。
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