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「私昔、ひい爺さんに連れられて---…って
思ってたんだよね。
実際そう歌ってたっていうか」
「へえ、
こういう歌を歌ってたって言うだけで歳がばれるよね」
「ふうんだ、別に初めからばれてるし、
何年の付き合いだって思ってるのよ」
「さあ、いつからだっけ?
生まれてすぐだから、
よんじゅう……?」
「ああっもういいよ、
それ以上言わないで。
お酒がまずくなる」
「はは、少なくても、この辺に建つビルより年上だってことさ」
「あ、でもそこにあるドックヤードはすっごい古いんでしょ、
天然記念物とかって聞いてるよ?」
「ドックヤードって犬の庭?」
「まさかあ。それって人間ドックを人間犬?
っていうのと同じ間違い」
「ああ、そのドックか。」
「そ、昔の船のドックヤード
昔はあそこでメンテナンスしてたんでしょうね」
「それも今や、流行りの、プロジェクションマッピング会場とはね、
昔の人が知ったら驚くな。」
目の前にあるドックヤードでは、
もうすぐ上映されるプロジェクションマッピングを
見ようと集まっていた。
「この辺すっかり変わったな。
ランドマークタワーなんて作ってる最中だったもんな。
観覧車と日本丸は相変わらずだけど、」
「そうね、そこに見える日本丸に乗ってた人たちは、
ここが、こんな風にビルの立ち並ぶようになるとは、
思いもしなかったわねきっと」
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