第1章

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20年前にアメリカに行ったまんま帰ってこなかった洋成から、 い週間前に急に会いたいと連絡があった。 洋成と実家が近所で、誕生日も3日しか違わない。 生まれてからずっとそばにいた私たちが、 こんなに離れてしまうとは20年前まで夢にも思わなかった。 そして今 まるで何にもなかったかのように、 海沿いのオープンカフェで、 ディナーをとっていた私たちは、 久しぶりに会っているのに、 まるで、前と変わらない感覚で話ができる。 なんて言うか、 懐かしいな、こんな空気感。 離れていた20年間、 本当はずっと、 洋成の存在が恋しくてたまらなかった。
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