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きゃっ
海風がブァッと
テーブルの上のオーダーシートを空に舞いあげた。
「ヤダ、どうしよう」
「大丈夫だろう?飛ばされちゃっても、
店の人はだしたものくらい覚えてるさ」
「そうね。」
「風が強くなってきたな、場所変えるか?」
「そうね、もうお開きにしましょ?」
「ねえ、今日はなんで誘ったの?」
「え?今頃それを聞く?
まさか覚えてないなんて思わなかったな、
ココに呼び出したことで気付いてほしかったんだけどな」
「気づく?」
「20年前の今日、ここで君にプロポーズをしただろ?」
「そう……だったっけ?」
「そうだったんだよ。
そんでふられたの」
「だってあのときは!」
「そうだよな、転勤について来いっていったら、
仕事はやめられないってな。
結局、俺は仕事に負けたわけだよね。」
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