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明日から一カ月そんな状況に陥るとしたら、僕は間違いなく今日死ぬ方を選ぶだろう。
「それで……」
ずっしりと、また重たいものが増えてしまった腹の底を持ち上げるように、僕は声を絞り出した。
「僕と大神さん、どっちが人柱になろうかって話?」
ぎょっとして目を見開いた大神(おおかみ)さんが、首を回して僕を睨んだ。
「てめえ……」
大神さんと、こういう話をした事はなかった。まず最初に話題となりそうな共通項であるにも関わらず、今日まで突っ込んだ話が無かったのは、大神さんから話題を振って来なかったっていうのもあるし、僕も真浦の事でボロが出てはいけないと思って、控えて来たからだ。
大神さんが何か言いたそうに口を開くけど、再び目を逸らして、俯いた。何だか調子が狂ってしまう。そこはいつも通り筋道通った説明で、僕を次の人柱にでも仕立て上げればいいのに。
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