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「僕がなるよ」
「……、は?」
「次の人柱には、僕がなる。そうじゃなきゃ筋が通らない」
大神さんがさも意外だとばかりに目を見開いた。でも、僕にとってはそっちの方が意外だった。だって、
「今さら僕が、生きていたい、なんて言うと思う?」
「……だってよ、お前、じゃあ、どうして御霊虫(みたまむし)なんか……」
「……? あぁ、そうか」
きっと、僕が生に執着して御霊虫集めている、と思っていたのだろう。
「あれは、また別件。確かに僕は御霊虫を集めないとすぐ死んじゃうけど、別に自分の命を繋ぐために集めているわけじゃない」
「……。何でだよ……」
大神さんがきゅっと口元を結んで、自分の膝を抱きかかえた。
「何でそんな風に、納得できちまうんだよ。アタシ一人で、バカみてえじゃねえか……」
「大神さんはやっぱり、生きていたいの?」
「当たり前だろ……!」
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