贖罪と回帰の巫女-3-

14/21
前へ
/21ページ
次へ
  「僕がなるよ」 「……、は?」 「次の人柱には、僕がなる。そうじゃなきゃ筋が通らない」 大神さんがさも意外だとばかりに目を見開いた。でも、僕にとってはそっちの方が意外だった。だって、 「今さら僕が、生きていたい、なんて言うと思う?」 「……だってよ、お前、じゃあ、どうして御霊虫(みたまむし)なんか……」 「……? あぁ、そうか」 きっと、僕が生に執着して御霊虫集めている、と思っていたのだろう。 「あれは、また別件。確かに僕は御霊虫を集めないとすぐ死んじゃうけど、別に自分の命を繋ぐために集めているわけじゃない」 「……。何でだよ……」 大神さんがきゅっと口元を結んで、自分の膝を抱きかかえた。 「何でそんな風に、納得できちまうんだよ。アタシ一人で、バカみてえじゃねえか……」 「大神さんはやっぱり、生きていたいの?」 「当たり前だろ……!」  
/21ページ

最初のコメントを投稿しよう!

13人が本棚に入れています
本棚に追加