贖罪と回帰の巫女-3-

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  家屋のトタンだとか建物のサッシ、敷地を隔てる金網、道路標識とか、個人で所有している自動車まで。生活がほとんど自給自足に近くて金銭的にあまり裕福ではないから、なかなか物が新調されないという事情もある。 でも大神さんは僕の返答に、ゆっくりと首を振った。 「まあ、それもあるんだけどな。この街の金属が錆びやすいのは、海田のせいなんだよ。他の海辺の街と比べても、だいたい三倍から五倍くらい、金属の腐食が早い。これはうちに残ってる文献にもそう書いてあるし、概生研の調査でも同じ結果が出てるそうだ」 「海田が、錆びを……。でもまた、どうして?」 「それがまだ、わかってねえんだとよ。まあそんなに実害があるわけでもなし、概生研の方でもそこまで積極的な研究はされてねえって聞いてる。とにかく海田は近くに『錆び』のマウラ、『鎌喰(かまくい)』を引き寄せるか、もしくは生み出しちまう性質があるわけだ」  
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