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『特殊能力』とは原石とは違うルートで、生身で魔力を具現化する力で、100人に一人くらいの人間しかもっていない希少能力である。
特殊能力を持っているものは何故か原石をもっておらず、発見されている能力もバラバラで、謎の多い力だ。
皆の注目を集めてしまい、ますます恥ずかしそうに可純はうつむいた。
「ほら、ぼさっとすんな。次」
シーちゃんが声をかける。
(次って俺じゃねーか。タイミングいいんだか、悪いんだか…)
「天堂ユウキ、特殊能力です。よろしくお願いします。」
(このままさらっと流せよ)
というユウキの願いは届かなかった。
「どーせだから、能力内容も言っとけ」
シーちゃんが言う。
「能力内容は…あー、走るのが早い…です」
クラスがシーンとなる。
こういう時、何も言わないくらいには良心的な人間が多いクラスと言うことだ。
次の生徒が自己紹介をはじめる。
「お前さー、もっと上手い言い方あるだろ。」
燈路がユウキに言う。
「うっせえ…」
ユウキはかなり落ち込んでいた。
かっこいい事言おうとして、イタイ人になるのはカッコ悪いと思って、あえてカッコ悪いことを言って自分で落ち込む。ユウキはそんな少年だ。
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