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入学式といえば桜。
それは物語的に不変のルールで、この魔法が普通に存在するような不思議世界にも当てはまる。
ここは成嶺学院高校。この世界においては一般的な魔術学校だ。
桜の花びらが舞うなか、まだ新品の制服を纏った少年少女達が楽しそうに歩いている。
門をくぐると何人かの上級生が早速部活の勧誘をしている。
「入学おめでとう!バスケ部入んない?!」
「野球部入りませんかー!女マネも募集中です!」
「恋愛同好会入りませんかー!」
元気すぎる上級生達に圧倒されながら新入生は講堂を目指す。
「君、ハンドボール興味ない?!」
黒髪の少年が押しの強そうな先輩に捕まっている。
「あー…考えときます」
苦笑いをしてビラを受けとる少年。
前には更に沢山の先輩達がいる。
「こんなんじゃ、いつまでたってもたどり着けねーぞ…」
ため息をつく少年。
(早めに来たのが失敗だったな…)
たしかにまだ新入生よりも上級生の人数の方が多い。これでは格好の餌食だ。
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