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「よう!」
突然、少年の上に重みがのし掛かってきた。
「何すんだよ、燈路」
ガバッと体を起こしてのし掛かってきたものをはね除ける。
はね除けられた少年―燈路はニヒヒと笑った。
「いーじゃねーか!だって入学式だぜ!入学式!!!」
短い金髪がキラキラ光る。
「へーへー」
適当に返事をしつつ黒髪の少年は燈路の襟をぐいっと引っ張った。
「おぅえ?!」
謎の奇声を発しながらバランスを崩す燈路。その背中を少年は思い切り押した。
先輩達が目を光らせて待っている迷宮の中へ。
「んだよ…」
といって燈路が顔を上げた時にはもう遅かった。
「君、サッカー部に「いや!その身長はバレーに生かすべき「柔道やんない?!「BL研究会のモデルになっ「バスケってモテるぜ!「いや、ぜひ…
燈路のタッパを見込んだ先輩達が押し寄せる。
「ってめ、ふざけんなユウキ!」
燈路は力の限り叫んだが少年―天堂ユウキは既に風のように走り去っていた。
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