入学式とナンパの関係性

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「あーダルかった」 無事(?)入学式に参加したユウキはその大半を寝て過ごし、終わり次第伸びをしながら講堂からでた。 今日はそのまま帰宅。 明日はオリエンテーションで、明後日から本格的に授業が始まる。 自販機を見つけ、飲み物を買おうとコインを入れる。 メロンソーダのボタンを押した時、 「ゆ~う~き~く~んんん!」 先ほど見捨ててきた親友(笑)がやってくる。 「よお、燈路。クラス一緒だったな、よろしく」 鬼の形相の燈路に涼しい顔をしてジュースを飲みながら答えるユウキ。 「よろしくじゃねえよ!囮にしやがって!」 「いいじゃねえか、入学式間に合ったんだし。ってかよく間に合ったな」 他人事のようにユウキが言う。 「なんか赤ジャージのゴリラみたいな先生が来て怒鳴ったら先輩達どっかいった」 さっきの怒りはどこえやら、その光景を思いだし笑いながら燈路が言った。 「へえ、ゴリラに感謝じゃん」 桜の下を二人で門へ向かう。 「同じクラス他だれいる?」 「田辺くんいたよ。田辺くん」 「あー田辺くん、いたわー」 そんな話をしていると、白いでっかい建物の側を通りかかる。 と、建物の影から声が聞こえてきた。 「ちょっと、君めっちゃ可愛いじゃ~ん」 「名前は~?ってか遊ぼうぜ~」 おそらく、というか確実にナンパだろう。 声に気づいて燈路は立ち止まる。 ユウキは素通りする。
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