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建物の門を曲がると、4人の男女が2対2で向き合っている所だった。
ガラの悪そうな男子生徒二人と恐らくナンパをされていたであろう黒髪の女子生徒との間に立ちはだかるように、先ほどのツインテールの少女がいる。
黒髪の少女が
「ナナ…」
と泣きそうな声で言う。
「お兄さん達、私達もう帰るんでそこどいて下さい。」
ナナと呼ばれた少女は勝ち気な瞳で男子生徒を睨み付けた。
「そんなつれない事言わないでさ~」
男子Aが(二人いるのでここからは男子Aと男子Bとします)ふざけた口調で言う。
「そーそー」
男子Bもそこから動く意思はないようだ。
「この子、男子苦手なんです」
ナナの言葉に
「四人なら大丈夫だって。俺ら優しーよぉ」
男子Aがすかさず返し、
「そーそー」
男子Bも同調する。
「私、語尾にちっちゃい『お』つける男子嫌いなんで」
ナナは黒髪の少女の手を掴んで、その場から逃げだそうとする。
「ちょっとつれないじゃん」
男子生徒Aがナナの肩を掴んで強引に引き寄せる。
(おいおい、ヤバくね?)
駆けつけたものの、どうしていいかわからず黙って見ていた燈路だがさすがにまずいと思い、声をかけようとした。
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