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二人が一歩踏み出した時、空から黒い影が降ってきた。
「お前ら、新学期早々何してる?」
黒いスーツに包まれた抜群のプロポーション、ひとつに束ねた長いオレンジ色の髪、ハスキーかつセクシーな声、成嶺一の美人教師シーちゃん先生その人である。
っと言っても、一年生四人はそんな事知らない訳で
「この先輩がいきなりケンカ売ってきたんで、買うところです」
とか、うっかりナナは喋ってしまう。
成嶺一の美人恐師に。
「おい、ヤバくね?」
燈路がこそこそユウキに話しかける。
「何が?」
「ほら、無断魔法こーそーってヤツ?ダメッつってたじゃん?」
「あー、俺寝てたから知らね」
「下手したら停学だぞ」
燈路は本気で心配している。もちろん、女子二人の事だ。
「別に、ケンカを買ったあいつも悪いんだし、しょーがーねえだろ」
ユウキはキッパリと言い捨てる。
「でも、入学してすぐ停学ってのは」
燈路は勉強はできないが、人間関係やそういう細かい所にはよく気の回る性格をしている。入学早々停学というのが、今後どれだけ影響を与えるのかわかっているのだ。
そして、彼はそういう事を放っておけないお人好しでもある。
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