第18話 【背徳の愛 ~ 正臣Side 3 ~】

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「たっ…高瀬先生?」 彼女は明らかに驚いた顔をして、大きな瞳で俺を見つめた。 ここは職場じゃない。 プライベートで真正面から見る彼女は、あまりにも可愛くて。 「……こんばんは」 咄嗟に視線を彼女のネームプレートに置いて、照れ隠しに低い声を漏らした。 沈黙が流れ、緊張感が更に高まる。 「君、同じ病院の事務員だよね?」 わざとらしい言葉が俺の口から滑り落ちた。 「ハイ…同じ病院の事務員です」 間を空けて、彼女は気まずそうに俯いた。 ――――何だ?この微妙な空気は。 彼女は口を閉ざしたままひたすら商品をバーコードで読み取って、それをカウンターの上に置いて行く。 俺にアルバイトをしている姿を見られたのが、そんな顔をするほど嫌なのか? 俯き加減の彼女の顔をじっと見て、眉根を寄せる。 このまま帰る訳には行かない。 今夜は彼女に会うために来たんだ。 「……バイト?」 沈黙に耐えかねた俺から声を掛けた。 「ハイ…見ての通りに」 素っ気なく彼女が言う。 「……何で?」 「えっ?何でって…」 やっと顔を向けてくれた彼女は『バイトしてて何か文句でもある?』と言うような目で、俺を見た。
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