第18話 【背徳の愛 ~ 正臣Side 3 ~】

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駄目だ…… 何を話していいのか分からない。 「確か、君は派遣の子じゃ無かったよね…」 焦る気持ちの中、とりあえず当たり障りが無いだろうと選択した言葉を放った。 すると、予想外にも彼女は更に険しい目で俺を見た。 なっ、何だ!? 俺は、無意識のうちに火に油を注いでしまったのか!? 何が悪いんだ? その怪訝顔の意味がさっぱり解らない…… 「私、貧乏なんでバイトしないと生活できないんです」 一瞬、顔に陰りを見せたかと思いきや、彼女はそう言ってにっこりと笑う。 貧乏だからバイトしないと生活ができない? 今のは冗談なのか? …でも、待てよ。 さっきも言ってたな…… 金が恋人だって――――。 『それは本当なのか?』と聞きたい。『どうしてそんなに金に困っているんだ?』と聞きたい。 でも、俺の好奇心が彼女をまた怒らせてしまうかも知れない。 やっと話し掛けられたと言うのに、この時点で彼女に嫌われるなんて冗談じゃない! 「…大変だね。まぁ、頑張って」 それ以上は何も言えない俺は、戸惑いながら言葉を置いた。
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