蟲壺

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~翌日~ シ「昨日は随分楽しい事をしていたみたいだな、ノウン。」 麻「えぇ、最後の最後に説教を聞かされなきゃ最高の気分で終われたのだけれどね…。」 リ「まだ言うか、本気で小僧と殺し合いなんかするから説教したのだ。 俺とするならまだしも…。」 リエットの的を外した発言にシンは思わず手に持っていた本を取り落としてしまう。 私達は朝早く何故かシンに呼ばれ、図書館へと来ていた。 シ「そう言う問題かよ…」 麻「で?わざわざこんな朝早くに呼び出して何の用?」 日が登るより少し前に突然メイドに起こされ訳も分からぬまま連れてこられてイライラしているのだ、下らない理由ならシンには多少痛い目にあってもらわねばならない。 シ「あぁ、お前は確か前はレーガー国の王城で働いて居たらしいな。」 麻「えぇ、それがどうしたの?」 言い難そうに口ごもるシンは意を決したように口を開く。 シ「昨日派遣した調査員から緊急で報告が入った。 レーガー国が――― 消えた。」 その重々しい言葉の意味を麻子は吊り上がりそうになる口元を必死に抑えながら理解していた。 実験はひとまず成功ってとこね…けど一日で国家を一つ喰い尽くすなんてある意味嬉しい誤算だわ。 シ「詳細はまだ不明だが国中に夥しい量の血と残骸が散乱していたらしい。 つまり…たった一日でレーガー国の国民達は…。」 何を言わんとしているのか分かるのだが何故そんなに口ごもるのか、麻子にはそれが分からなかった。 シ「これから総力を上げて調査し、事実を必ず暴いてみせる。 だから…そんなに辛そうな顔をするな。」 麻「えっ…?」 そこで麻子はようやく理解する、笑いを隠そうと口元を隠した動作がシンには悲しんで居るように見えたのだ。
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