310人が本棚に入れています
本棚に追加
数千種類もの蟲が持つ毒を強めようとした結果、偶然出来上がったコレはまさに悪魔の薬…と言うより毒だが。
これを体内に打ち込めば一時的に脳のリミッターを強制的に外し、凄まじい集中力と共に人を超えた力を手に入れることが出来る。
だが代償として脳に極度の負担が掛かるらしく、毒が切らせば手足の震えに始まり、痛覚が異常に鋭敏になり日常生活もままならなくなる。
そして最期には負荷を掛け過ぎた脳がエラーを起こし、在りもしない幻覚や幻聴を使用者に見せ一番弱い呼吸器系が麻痺を起こし死に至る。
リ「一体何時の間に…」
麻「この国に帰って来てすぐの頃よ、少しでも使える手は増やしておいて損は無いわ。
まぁ、これが出来たのは本当に偶然なんだけど。」
カ「もう試験的に運用を開始してるんだ♪
子供達に運び屋をやらせてデータを取ってる最中なんだけど売れ行きは好調だよ?」
なるほど、それで"間接的゙か…だがあまり感心しないのは事実だ。
今の麻子は目的の為に手段を選んでいない、例えるなら空中に張られた綱の上を全力疾走しているような危うさを感じるのだ。
麻「カナル?私は無償で配るように言わなかったかしら?」
カ「あ、あれだよ、言葉の綾だよ。
ちゃんと無償で配ってるから心配しないで。」
リ「無償で配って居るのか?
…まさかとは思うが"今ば無償で配って居るが全体に行き渡ったら値を吊り上げるつもりか?」
満面の笑みを浮かべる麻子の顔を見る辺り、正解のようだ。
麻「詳しく言うなら今は何もしていなくても薬は手には入る、だけどこの毒が街全体に行き渡ったら功績を上げた者にのみ与えられる嗜好品にするつもりよ。
功績を上げなければ二度とこの毒は手に入らず、激痛と苦しみだけが与えられる。
必死にならざる負えなくなった傭兵達はこぞって功を求め始めるでしょうね。」
最初のコメントを投稿しよう!