穏蟲

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?「また随分とアバウトだね、君。」 麻「アバウトな分、仕事は多いわよ? これから数千人単位で死者が出る予定だからその処理を…」 その瞬間、[屍食]の目の色が変わり小馬鹿にしたような目から捕食者のそれへと変わる。 ?「…一つ聞かせて欲しい、その数千人単位の死者はどこの誰で何の為に死ぬのか。」 麻「…私はね、戦争を起こしたいの。 敵味方入り乱れて殺し殺され殺し合う泥沼のような戦争を、目的が果たされるその瞬間までね。 その為に消える数千人の命よ。」 どこか嬉々として戦争を語る麻子に[屍食]は深い溜め息を一つ吐き出す。 ?「死体が積み上がるのは僕としても嬉しい限りだ、だがどこに戦争を仕掛けるつもりだ? 仮にも戦争を起こそうとする輩が何の考えも無しに言っているんじゃないだろう?」 裂けんばかりに口の端を吊り上げ、麻子は凶相を浮かべ静かに告げる。 麻「人類に―――」 麻子side out ノウンside ゾクリとした感覚が首筋を襲い、私は小さく身震いする。 冷「ノウン?どうかしたの?」 ノ「いえ…少し寒気がした気がして…。」 レ「まぁ、この辺の地域は冷えるからな。 念の為にもう一枚、着込んどくか?」 再会を祝し飲み明かした街を離れて早三日、冷子達は雪のちらつく平野を馬車で移動していた。 目的地は要塞都市ヴァルクル、断崖絶壁の続く国境に位置するその都市は数少ない出入国経路の一つで国防の要にもなっているらしい。 常時数千の兵士が常駐しその宿舎を中心に街が形成され今の形に落ち着いている。 今回、冷子はシン国の依頼でその都市の内偵を命じられたらしい。 ノ「いえ、別に寒い訳では…」 冷「前から思ってたけどレリウスってあれよね…」 ガ「あれだな」 メ「あれ…」 三人の哀れみの視線を受けたレリウスはと言うと…
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