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リ「は、ハハッ…少し頭を冷やして来る。
最近の書類仕事が原因か?
疲れすぎて幻聴が聞こえる…」
フラフラとした足取りで部屋を後にするリエットの背を見ながら、少しは休ませようと密かに誓う麻子であった。
麻「あら?意外と仲良くやってるみたいね、安心したわ。」
執務室を後にした麻子と二ケは双子の所を訪ねていた。
以前は国王の部屋であったであろうその部屋の中ではイルネアに見守られながら双子が仲良く遊んでいた。
イ「あなたですか…随分と久し振りな感じがしますね。」
麻「そう?それより聞いたわよ?
カナルに半殺しにされたんですってね?」
ビクリと肩を跳ね上げたイルネアの反応を見る限りどうやら真実らしい。
イ「いきなりですよ、何の前触れも無く現れて半殺しにされたかと思ったら「僕のノウンに気安く話し掛けるじゃないよ、そんなに死にたいのかい?」、ですからね。
余程愛されて居るようで?」
嫌みたらしくなるのも無理はないだろう、理不尽に理由も分からず半殺しにされたのだ、これで嫌みたらしくなければ性格を疑う。
苦笑いを浮かべ気まずそうに頬を掻く麻子にイルネアは深い溜め息を吐くと視線を斜め後ろへとズラす。
イ「それはそうと後ろの方は?」
麻「新しい仲間よ、今回は面通しも兼ねたあの子の様子見にね。」
そこでようやく此方に気付いた双子が可愛らしい笑顔で此方へと走り寄って来る。
?「「母様~♪」」
麻「は、母様!?」
開口一番出て来た言葉に麻子は思わず引きつった顔と共に素っ頓狂な声を出してしまう。
イ「そう言えばまだ言ってませんでしたね…、二神様があなたを友達では無く母のように慕って居たので僭越ながら私から提案させて頂きました。
別に困るような事でも無いでしょう?」
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