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ニタニタと嫌な笑みを浮かべるイルネアに有らん限りの不幸あれと心の底から願うがカナルから既に半殺しにされた後だ、これ以上なにか不幸を願うと言うのも酷だろう。
麻「まぁ、あなた達がそう呼びたいなら…。」
?「「やった~♪」」
目の前で年相応にハシャぐ双子に麻子は小さく笑みをこぼす。
少し前まで感情を上手く表せて居なかったこの子だが今の姿を見るとホッとする。
無邪気に笑い、元気に遊ぶこの姿こそ本来あるべき子供の姿だ。
?「母様、また飛んで飛んで!」
?「母様、一緒に飛んだアレやってアレ!」
どうやら前にやったアレが相当気に入ったらしい、この年ぐらいの子供は高い所が好きで手が掛かる。
麻「はいはい、後でやってあげるから新しい仲間に挨拶しましょうね?」
?「「仲間~?」」
そこでようやく後ろに佇む二ケに気付いたのだろう、二ケから隠れるように私に身を寄せる。
二「ん~…どうやら嫌われてしまったみたいだね。」
麻「ただの人見知りよ、これから行動を共にする事もあるのだから努力しなさい。」
やれやれ、と言った具合に首を振る二ケは双子の前まで来ると視線を合わせるようにその場に屈み込む。
二「初めまして双子ちゃん達、飴はお好きかな?」
二ケはどこから取り出したのか飴を双子へと差し出しにっこりと人当たりの良い笑みを浮かべる。
流石と言うべきだろうか、飴を見るや否や双子は目を輝かせ二ケの手から飴を受け取ると口に含み幸せそうな表情を浮かべる。
麻「手慣れてるのね?」
二「この年の子達は柔らかいからね。」
分かりたくは無いが手慣れている辺り、子供も貪って居たのだろう…。
麻「あまり気持ちの良い話しでは無いわね…」
二「そんな怖い顔しないでくれよ、この子達にそんな事はしないよ。」
ニコニコと笑う二ケだが前科があるのだ、警戒しておいても損はない。
?「よ、よろしくお願いします。」
?「飴、まだある?」
ま、心配するだけ無駄だろう、この子達もいざとなれば自衛位は出来るだろうし何よりイルネアが居る。
襲おう物なら返り討ちとまでは行かなくとも食われる事は無いだろう。
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