穏蟲

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駄目だっ!彼女は…彼女は私のなんだ…? 落ち着かない、落ち着かない落ち着かない落ち着かない落ち着かない落ち着かない落ち着かない落ち着かない落ち着かない落ち着かない! 一旦気を落ち着かせよう、だが私は誰だ? 彼女は?此処は?私は?何が?誰が?何処だ? 纏まらない纏まらない纏まらない纏まらない纏まらない!纏まらない!!纏まらない!!! …そんな事より…私の"身体゙は何処だ? ???side out ノウンside ノ「何よ…これ…っ!?」 防壁の淵から引きずり降ろされ、意識を手放していたノウンは強烈な圧迫感で目を覚ました。 視界に広がるのはただただ黒く蠢く"なにか"、それがまるで人の腕のように首を絞めたり緩めたりを繰り返しているのだ。 ?「アアァァアァア゛ァ!!!」 ノ「ヒッ…!?」 黒く蠢くなにかは唐突に絶叫するとその一部が剥がれ落ち、端正な顔立ちをした女性が姿を現したのだ。 ノ「人…?」 ?「クス…リ…もっと…もっとクスリを…!」 ボトリとノウンへ倒れかかってきた女性の違和感にようやく気付いたノウンは思わず悲鳴を上げそうになる。 それもその筈、両腕の力だけで身体を這い上がってくる女性には鳩尾から下が存在していなかったのだ。 代わりに蟲達が歪な内蔵を形成し、無理矢理女性を生かしていたのだ…最早人とさえ呼べないこんな状態にしてまで。 ?「クス…リ…を…!」 気付けば女性の濁って白くなった目がお互いの息が掛かる距離にまで近付いており、呼吸する度にゾッとする程冷たい息が首筋を撫でていく。 ノ「っ!!嫌っ!」 反射的にノウンは女性を突き飛ばしていた、無理もない…人とさえ呼べない生物が目と鼻の先に居たのだ当然の反応とも言える。 だが相手も相当必死なのだろう、万力のような握力に物を言わせノウンの服にしがみつきビクともしないのだ。
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