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「……クイズ。『祝福の剣』ということはつまり、『祝われた装備』か」
「そうだけど、何か――あっ」
魔族にとっての『祝われた装備』は、人間でいうところの『呪われた装備』。
つまり、効果によって手放せない、というわけだ。
「――店主」
私はギロリと店主を睨みつけたが、店主は何を勘違いしたか。
「伝説の勇者の剣が新しい勇者様を選んだってわけか! こりゃやっぱり本物の勇者様に間違いない!」
「おい、店主!」
「よしみんな、今日は勇者様に出血大サービスだ!」
「話を聞け!」
商店街はたちまち大騒ぎになった。
魔王として恐れられていた頃とは違う、心からの歓迎。なんだこの罪悪感は。別に勇者をやる気がない私が悪いようではないか。
いや、悪くて結構なのだった。私は魔王なのだからな。
だが、とりあえず――。
「そうだな、クリームシチューの材料を頼む」
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