Ⅱ)秋を詠う

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「ゆらゆらと」 ゆらゆらと 惑う想いを胸に秘め 幾度めの秋 また越えて行く (なお) 「幾度目の秋」 紅染まる 川辺の木々に俯いて 落ち葉拾うや 幾度目の秋 (新田 遼) 「俯いて」 俯いて 小さなどんぐり拾う秋 見上げた天に セキレイの声 (恋花) 「拾う秋」 拾う秋 ふわり舞い散る落葉と 共に零れる 秋の恵みを (新田 遼) 「拾」 拾い上げ 陽(ひ)へと凝らした 木の実でも 肥やせぬだろう 天の雲馬(あまのくもうま) (和貴 螺斑) 「天の雲馬」 夕焼けに 天の雲馬翔ける見て 明日の幸福 願いを掛ける (恋花) 「願を掛け」 願を掛け 頭を上げて振り向けば 朱(しゅ)、緑(りょく)、黄(き)成る 彩へと気付く (和貴 螺斑) 「振り向けば」 振り向けば 夏はいつしか遠退いて 和らいだ空 涼風添いぬ (なお) 「和らいだ空」 和らいだ 空を仰ぎて今日もまた 秋の薫りの 秋刀魚を食す (星野かほり) 「秋刀魚 薫り」 七輪が 秋刀魚の薫り風に乗り 昇れば「鰯」 つられて変わる (和貴 螺斑) image=488318797.jpg
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