【その顔はあどけない】

3/33
前へ
/33ページ
次へ
  「芹香が無言でスイーツ寄こす時は、話聞いて欲しい時よねー」 「そっか。いつもだったらすごい言って来るもんね。買ってきたから食べてーって」 「悪かったわね、押し付けがましくて」 「別にそんなこと言ってないのに」  しれっとした顔で言う菜月を見ると、丸っこくて白い額をペチペチやりたくなってくる。 「言ってるのと同じよ」  ぶすけながら、プリンを抱えていつもの自分の場所に腰を下ろす。 「……今、付き合ってる人にさ」  菜月と飛鳥が秀秋のことをよく知らないのをいいことに、ちょっと見栄を張った。 .
/33ページ

最初のコメントを投稿しよう!

186人が本棚に入れています
本棚に追加