【その顔はあどけない】

6/33
前へ
/33ページ
次へ
  「それで、まあまたよろしくねって感じでお昼一緒に食べてたんだけど。そこに鉢合わせたっていうか……」 「仕事みたいなもんだって言った?」 「……それは。同じ会社で派遣やってるし、会社でゴタゴタあったの知ってるから、判るんじゃないかなって」  そっかー、と納得しかけた菜月を遮り、飛鳥が眉根を寄せて身を乗り出してきた。 「芹香、それ、  ちゃんと言った方がいいよ。  いちいち」 「え……」  あの後、社交辞令って感じで4人とも手を振って会釈して──あたしと友成さんが「お先に」って店を出たんだけど。  その時も秀秋の顔はずっと能面のようで、しばらくソワソワしていたことを思い出した。 .
/33ページ

最初のコメントを投稿しよう!

186人が本棚に入れています
本棚に追加