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どこかフワフワした菜月の物言いに、飛鳥は完全に同意しているようだった。
「判ったからって、何になるの」
ぽそりとつぶやき落としたあたしを、2人がじっと見てくる。
その視線にいくらか批難が混じっているような気がして、一瞬たじろいた。
菜月はちょっと口唇を尖らせながら、スプーンを持つ手を止める。
「けど、思ってること言ったり聞いたりしないと、駄目になる気しない? あたし、よく真田に怒られるんだけど」
「真田に?」
「うん。あたしもそうだったから、
判るんだけど。真田に彼女が
いるんだって思ってた時、
きつかったよ。それでもいいなんて
言ったけど、好きだみたいなこと
言われたら、やっぱり嬉しかったし」
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