【視線の鼓動】

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   きっぱりと言い切る秀秋。  一体何様なんだろう。  2つも下のくせに、時々妙に大人びた言動をする。 「だけどこれ以上は自信ないから。芹香は早く帰って、フロ入って寝て」 「なに、これ以上って……」  よたよたと、秀秋についていきながら口唇を噛んだ。  送ってくれるのは嬉しいけど、なんか腑に落ちない。 「セクハラされて  嫌な思いした女の子を、  その日のうちに犯せって言うの。俺に」 「……!?」  秀秋は、歩きながらチラッとあたしを振り返る。  その目元には、やっぱりまだ不機嫌が居座っていた。 「冗談じゃないよ。  本当はあいつ、ぶち殺したかった。  そういうの、辛抱して  帰ってきてるのに」 .
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