【視線の鼓動】

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   愁子が乗ったバスを見送ってから、秀秋は何事もなかったかのようにスルッと手を繋いできた。  いくら愁子に言われたからって、こんなとこ他の人に見られたらどうするんだろう。  そういうの考えてんのかな。この男は……。 ゚・*:.。..。.:*・゚・*:.。..。.:*・゚  電車を乗り継いで、地元まで戻って来た。  秀秋は何も言わずに手を繋いだまま、迷うことなく足を進めるけど。 「ねえ」 「うん?」 「この状況、変じゃない?」 「どうして」 「だって、これ」  繋がれた手をクイッと引いて示すと、秀秋は立ち止まって見下ろした。 「何、いや?」 「そうじゃなくて」 「まだいつも通りの顔に戻ってない。心配だからこうしてる」 「……」 .
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