【視線の鼓動】

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   いつも通りの顔ってなんだろ……。  そんな、判ったようなこと言うけど。  恋人じゃないんだよ、あたし達。  喉元までそう出かかって、ゴクンと飲み込んだ。  確かに、今の自分はいつもと違って弱ってるっていう自覚くらいあるけど。  あれだけ泣き喚いちゃったんだし。  それでも、恋人のいる秀秋にここまで面倒を見てもらうことはない。  ……改めて寂しい確認、させないでよ。 「子どもじゃあるまいし、追っ払ってくれただけで充分だよ」 「逆だよ、逆。大人だから、ひとりにできない」 「なにそれ……」 「芹香、気が強いだけで中身はクラゲみたいにふにゃふにゃだから」 .
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