【その症状、眩暈】

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  「好きにって、やだ……」 「どうして。嫌な思いはさせてないはずだよ」 「それは……っ」 “──秀秋、ねえ、好き。  好きなの、秀秋。  秀秋が欲しい。  秀秋しか欲しくないの”  まるで体内のものをすべて吐瀉してしまうような勢いで、ずーっと押し込めてきた言葉が、自分で自分を追いつめてくる。  必死に言ったくせに、今頃恥ずかしいとかどうかしてる。  そうして羞恥心に喘いでる間にも、秀秋の手が身体中を確かめるように這い回る。  服の上をなぞるその指先は、焦れったそうだった。  秀秋の手はあたしの胸に触れているのに、彼の親指だけはおへそや下腹まですすい、と撫でてくる。  本当に、手、おっきい。 .
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