198人が本棚に入れています
本棚に追加
/39ページ
「好きにって、やだ……」
「どうして。嫌な思いはさせてないはずだよ」
「それは……っ」
“──秀秋、ねえ、好き。
好きなの、秀秋。
秀秋が欲しい。
秀秋しか欲しくないの”
まるで体内のものをすべて吐瀉してしまうような勢いで、ずーっと押し込めてきた言葉が、自分で自分を追いつめてくる。
必死に言ったくせに、今頃恥ずかしいとかどうかしてる。
そうして羞恥心に喘いでる間にも、秀秋の手が身体中を確かめるように這い回る。
服の上をなぞるその指先は、焦れったそうだった。
秀秋の手はあたしの胸に触れているのに、彼の親指だけはおへそや下腹まですすい、と撫でてくる。
本当に、手、おっきい。
.
最初のコメントを投稿しよう!