【その症状、眩暈】

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   それを意識した瞬間  羞恥が上乗せされて、  すごく居たたまれない。 「秀秋、やだ、や……」 「や、じゃない」  あたしの喉元で、秀秋が低く笑う。 「だって、なんか恥ずかしいよ」 「そんなの初めて聞いたけど」 「初めて言ってるもん」  すると、秀秋はぴたりと動作を止めた。  しばらく何かを考えてから、彼はゆっくりと顔を上げる。  薄闇の中、ばちりと目が合う。  ややあって、秀秋の眉間にぎゅっと深い皺が刻まれた。 「秀秋?」 「……芹香」 「は、はい……」 .
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