198人が本棚に入れています
本棚に追加
/39ページ
それを意識した瞬間
羞恥が上乗せされて、
すごく居たたまれない。
「秀秋、やだ、や……」
「や、じゃない」
あたしの喉元で、秀秋が低く笑う。
「だって、なんか恥ずかしいよ」
「そんなの初めて聞いたけど」
「初めて言ってるもん」
すると、秀秋はぴたりと動作を止めた。
しばらく何かを考えてから、彼はゆっくりと顔を上げる。
薄闇の中、ばちりと目が合う。
ややあって、秀秋の眉間にぎゅっと深い皺が刻まれた。
「秀秋?」
「……芹香」
「は、はい……」
.
最初のコメントを投稿しよう!