【Side 秀秋:晴れない疑い】

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  ゚・*:.。..。.:*・゚・*:.。..。.:*・゚ 「……ちょ……、ちょっと、秀秋……苦し……っ」  静かに響いていた艶やかな喘ぎが苦悶の声に変化したところで、ハッと我に返った。  驚いて手を離すと、芹香はゴホゴホと軽く咳き込む。  その衝撃で思いきり締め付けられて、思わず背を丸めて芹香に覆いかぶさった。 「ケホッ、……秀秋?」 「……ごめん、今の、ヤバかった……」  咳のことだと気付いて、芹香は「やだ」と自分の両頬を押さえる。 「ごめん、でも、だって秀秋が」 「ごめん。ちょっと調子に乗った」  深く追及されないように先に謝ると、芹香はふうと息をついた。  きつい締め付けが少し緩やかになり、とろけそうな心地よさが戻ってくる。 .
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