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「秀秋」
耳元で芹香が溜め息まじりに言う。
「ひょっとして、ああいうの、シュミなの」
不安混じりのその声に、何とか顔だけ上げた。
身体を起こしたら、そのまま終わってしまいそうな痺れた快感が、まだ腰にまとわりついている。
芹香の黒い目が涙で潤んで、真っすぐに俺を見上げていた。
「……いや。急に思いついた」
「なら、いいけど……」
潤んだ瞳が、安心したように閉じられる。
その瞬間、ムズムズとやばい衝動が湧き上がってきた。
首なんか絞めて苦しめるより、無防備な芹香を突き回して戯れたい。
本来の俺の嗜虐心なんて、所詮その程度のものだ。
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