【Side 秀秋:晴れない疑い】

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  「怖かったなら、もうしない」 「うん、判った」  縋るように首筋に鼻先を寄せられて、嫌でも芹香からの信頼を感じる。  嬉しい反面、憎たらしい。  さっきの話が、頭から離れないせいだ。  同居している親友、飛鳥さんにも彼氏ができた──それだけならまだいい。  それが、高校の時の非常勤講師だったという話もレアだけど、俺からすれば所詮他人のことだ。  そんなこともあるのか、くらいにしか思わない。  堂々と彼氏を連れてくる親友2人を羨ましいと感じたことも。  だが、話す芹香の表情が問題だった。 .
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