【Side 秀秋:晴れない疑い】

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   ──なんで真田って人と  飛鳥さんの相手のことを話す時、  そんな遠い目になるんだよ。 “羨ましい”の中身は、そういうことなんだろ?  その黒い一言を呑み込んでしまったせいで、今こうして腹の底が熱くてグラグラする。  いっそ芹香に親友がもう一人いたなら、その人にちょっかいでも出してやろうか……なんてあくどい妄想をするくらいには、腹が立つ。  自分がこんなに汚くてひどいやつ──人でなしだなんて、知らなかったよ。  俺がメチャクチャにしたいのは、芹香ひとりなのに。  その周囲まで許せなくなるとか、俺になんの権利があって、そんな。 .
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