【Side 秀秋:晴れない疑い】

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  ゚・*:.。..。.:*・゚・*:.。..。.:*・゚ 「ちょっと、モヤモヤする……」  またか。  頭ではそう思ったが、口には出さない。  ことを荒立てない秘訣だと個人的には思う。  夜が更けて、この部屋で夜を過ごすのに慣れてきたらしい芹香は、胸の内のことをぽつぽつと漏らすようになってきた。  甘えられていると思えば、どうってことない。  が、彼女は最近憂鬱な様子だ。  一生仲良くできると思う、と言っていたはずの親友さん達のことまで言い始めたので、これはあまり芳しくない状況なのでは、と思った。  床のラグに腰を下ろしている俺を、ベッドに腰掛けている芹香が見下ろしてくる。  すっかり決まった定位置だ。 .
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