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……ほんと、面白くない。
芹香の親友の彼氏だからって、芹香の部屋に出入りするなんて、羨ましいにもほどがある。
こっちは欺いている手前、部屋に行きたい、なんて言えないっていうのに。
まともな彼氏なら当然言えるんだろう。
芹香のモヤモヤは、こっちまで自業自得の爆弾を受ける。
芹香はまだいいよ、俺にブツブツ言えるんだから。
だけど俺、自業自得とはいえ誰にも言えない。
はなから、自分の弱みなんて人に見せるような性分じゃないが。
「昔のときめきでも、思い出すの」
そんなわけはないと知りつつ、わざとそう言うと芹香は少し嫌そうに顔を歪めた。
それが小さな子どものチックみたいで、思わずなめらかな頬をふにふにと突きたくなる。
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