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「ただ遊びに行くだけじゃん。俺と行くのと変わらないだろ」
「で、でも、奏兄様は奏兄様ですから、今回とはちょっと違うと言いますか……」
ちょっと、むっとする。
自分に対してはそんな顔しないのに。友達よりも上の関係、いわば家族と分かっていながらも、少し、少しだけ心がざわめいた。
少し深呼吸。
大丈夫、落ち着いた。
「あのなー、待ち合わせして、飯くって、遊んで帰るみたいな流れなんだろうし、怖がるものは何もないだろ?」
「で、でも、待ち合わせは何分前に行くべきでしょうか!?それに食事のマナーや選ぶもの……お金もいくら持って行ったら良いのでしょうか!?あと、あと」
「お前な………初デートに行く前じゃないんだから……俺もいるんだし、一緒に行くのニコだし」
とは言ってみるものの、次から次へと課題はあがってくるようで俺の声は届いていないようだ。
一つため息をつくと、ニコにメールをする。
『瑠璃が知恵熱出す気がする。うけるしwww』
さて。幼なじみ、初めての友達との遊びの約束。
どうなるものか、『奏兄様』は見守ることとしますか。
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