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最近また、夕暮れ時が少しずつ遅くなってきた。
湿気を含んだ植物たちの呼吸が、夜はまだ冷え込みそうな気配を感じさせる季節。
そのくせ、グランドの土はカラカラに乾いていて、トラックを走る短距離ランナーに削られ、モザイクの欠片のように辺りに散乱する。
それはやがて熱い風に巻き上げられ、土煙となって、これからの体育の授業を、更にかったるいものにするんだろう。
都会の片隅にありながら、緑の深い小高い丘で自然を満喫できるという、ありがたい環境下にある高校。
おれはそこで、2年目の春を迎えていた。
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