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「始めるぞヒロノブ」
ドラムセットの左側に立つ、真面目な制服姿のトモアキがヒロノブを急く。
おれは俄然やる気が出てきて、コードをアンプに繋いで正面中央に立った。ヒロノブも窓際を離れて、ドラムセットの中に落ち着いた。
「――っしゃ!」
気合いを入れた次の瞬間から、教室内の空気が一斉に振動を受けて外に飛び出してゆく。
スティックを握るしなやかな腕の動きで、複数のドラムが連打され、繰り出されるリズムがおれの身体を揺さぶった。
ドラムに合わせてベースが加わる。
音が重くなって、最高の快感にめぐりあう瞬間がやってくる。
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