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不気味な男はニンマリとしながら、ハンカチを拾い上げ、それを持ちながらユウとヤヨイの元に近づいてくる。
その男は、背は小さく、ヒョロッとしており、年齢は50代といったところだろうか。
歩き方は、クネクネしており、男らしさなど微塵にも感じられない。
しかし、不気味な男はいかにも自分に酔っているようなしぐさをする。
髪をかきあげ、フワッと上がった髪が宙に舞ったと思いきや、ベタッと額に張りつく。
その髪の隙間から斜め上を見るように、ユウとヤヨイを見る。
自分の見てくれの惨めさにも気づかないナルシストとはまさにこのことである。
ユウとヤヨイは、その男を見るだけで、鳥肌が立ってきた。
右によろめいたかと思ったら、今度は左によろめく。
しかし、確実に一歩一歩、前進してくる。
ユウとヤヨイが身震いし、動けない間にいつのにかその男は、右手にハンカチを持ちながら、二人の目の前まで来ていたのである。
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