第1章

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ライムは、頭上にバットをあげた状態で、一瞬、静止し、勝男という男を見る。 「ヒィィィィィ」 神社の境内のときとは違い、見苦しい悲鳴をあげている。 ライムは、恐怖心を勝男という男に植え付ける必要があると考えていた。 ストーカー気質や変態気質の人間は、自分がやられると思わないからこそ、つけあがる。 逆をいえば……… 自分が返り討ちにあうことがあるということを思い知らせればいい。 ライムは、迷うことなく、頭上に上げたバットを勝男という男の頭めがけて降り下ろした。 「ギャァァァァァー!」 勝男という男の悲鳴が、また部屋中に鳴り響く。
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