第1章

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メキッー ライムの振り下ろしたバットが勝男という男の背中にめり込み、鈍い音が響く。 「ギャァァァァァ」 勝男という男は、叫び声を上げた。 ライムは、そのまま見逃そうとも考えたが、それでは甘いと考えた。 最初は、精神的なものだけで痛めつければ問題ないと考えていた。 だが、それたけでは足りないのではないかもライムは、思い直した。 勝男という男は、これまで似たようなことを何度もしてきたはずだ。 そして、その異常さに恐怖を感じて、物怖じしてしまう。 結果、勝男という男は、自分にびびっていると思い、調子づく。 それだけは、防がなければならない。 さっきの恐怖心を植え付け、それを完璧なものにするには、勝男という男自身に「痛み」を感じさせる必要がある。 そう考え、ライムは、バットを勝男という男に向け、殴り付けたのである。
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