第1章

139/192
前へ
/192ページ
次へ
「た、助けてくれ………」 勝男という男は、ライムに許しを求める。 ライムは、これ以上、殴るつもりなどない。 だが、あえて冷たい目で、無言で勝男という男を見つめた。 それが、恐怖心をあおるにはうってつけだと感じたからだ。 勝男という男は、もうやめてとか、ヒィィィィィなどの声を上げながら、逃げていく。 ライムは、あえてゆっくりと勝男という男のあとを追う。 勝男という男に恐怖をうえつけるために。 勝男という男は、逃げていった。 ライムは、勝男という男の後ろ姿が見えなくなるまで、見つめていた。
/192ページ

最初のコメントを投稿しよう!

199人が本棚に入れています
本棚に追加