第1章

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「そういやさ、ライム。」 「なんだ? 昼飯ならおごるって言っただろ?」 「いや、そうじゃなくてよ。何かさ、いつもと違う感覚の日ってない?」 「例えば?」 「そうだなぁ。今日は、朝からやけにチマチマと嫌なことが続くなぁと思う日があったり、今日はやけに朝から冴えてるぜっ!って思うときがあったりさ………」 ついてる日……… ついてない日……… 冴えてる日……… 冴えてない日………… そうか。分かったぞ。 ライムは、良の発言のおかげで閃いたことがあった。段数の違う階段などあるはずがない。だが、もしあるとすれば……… 「さて、良。帰るか。」 「どうしたんだよ、急に。」 「なるようにしかならないってことさ。」 「何の話してるんだ?」 「段数の違う階段の話さ。」 良は、ライムの言いたいことがイマイチ分からず、首をかしげたり、頭をポリポリと掻いたりしている。 「あるはずないものなんだから、意識したら余計、それに遭遇することはないって意味だよ。だから、自然の成り行きに任せよう。あるなら、自然とそこを見つけられるはずさ。」 ライムは、それだけ言うと、歩き出す。そして、良もそのあとを追うように歩き出すのであった。
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